掌上に運らす（読み）ショウジョウニメグラス

デジタル大辞泉

掌上しょうじょうに運めぐらす

《「孟子」公孫丑から》手のひらの上で物を転がすことから転じて、自由にあやつる、思いのままに行う。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

しょうじょう【掌上】 に 運(めぐ)らす

(「孟子‐公孫丑上」の「以_二不_レ忍_レ人之心_一、行_二不_レ忍_レ人之政_一、治_二天下_一、可_レ運_二之掌上_一」による。手のひらの上で自由にあやつる意から) 意のままに行なう。思いどおりにする。

出典　精選版 日本国語大辞典

故事成語を知る辞典

掌上に運らす

思い通りに取り扱えることのたとえ。

[使用例] わが邦くにははたしてかかるやむべからざるの事情あるか。〈略〉いかなる凡庸政治家といえども、もってこれを掌上に運転することを得べし［徳富蘇峰＊将来之日本｜1886］

[由来] 「孟子―公こう孫そん丑ちゅう・上」の一節から。「人に忍びざるの心（他人の不幸を見過ごせない気持ち）」で「人に忍びざるの政（他人の不幸を見過ごさない政治）」を行えば、世界中をうまく治めることなど、「之これを掌上に運らすがごとし（手のひらの上で転がすようなものだ）」と述べています。

出典　故事成語を知る辞典