捨筆(読み)すてふで

精選版 日本国語大辞典 「捨筆」の意味・読み・例文・類語

すて‐ふで【捨筆】

〘名〙
① 手すさみなどで、無造作に書き散らすこと。また、書き散らしたもの。
実隆公記‐延徳二年(1490)三月紙背(姉小路基綱書状)「かやうの早率の御すて筆なとに、和漢妙句をあそはしつらね候」
字画にないが最後に加える点のようなもの。たとえば「・筆・」の「ヽ」のこと。
※ゆく雲(1895)〈樋口一葉〉下「すて筆(フデ)ながく引いて見ともなかりしか可笑(をか)し」

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