押掛(読み)おしかけ

精選版 日本国語大辞典 「押掛」の意味・読み・例文・類語

おし‐かけ【押掛】

〘名〙
① 押しかけること。招かれないのに出かけて行くこと。また、その人。押掛け客。
滑稽本浮世床(1813‐23)二「なんぞおいしい物がござりますなら、押(オシ)かけのお客に参りますト」
浮世草子・咲分五人娘(1735)二「男は定ったる女房の外に、妾・おしかけを置並べ」
馬具の名。馬の頭、胸、尻にかける組紐
※虎明本狂言・磁石(室町末‐近世初)「又是には馬道具があるよ〈略〉たづな、おしかけ、しりがひ」

おっ‐かか・る【押掛】

〘自ラ五(四)〙 「おしかかる(押掛)」の変化した語。
① よりかかる。よっかかる。
※天正本狂言・面研(室町末‐近世初)「あをにころばす。おっかかってとぐ。起こして筒より水を掛ける」
② ある状態に、まさになろうとする。ほとんど近づく。
浄瑠璃・心中天の網島(1720)上「弟とはいひながら、三十におっかかり、勘太郎・おすゑと言ふ、六つ四つの子の親」

おし‐か・ける【押掛】

〘自カ下一〙 おしか・く 〘自カ下二〙
① 襲いかかる。進撃する。
大鏡(12C前)四「せばきところにて雑人はいとおほくはらはれてをしかけられ奉りぬれば」
相手に招かれないのに、かってにそこへ行く。
※虎明本狂言・老武者(室町末‐近世初)「われらの存るは、おしかけてあれへござれかしとぞんずる」

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