手煎(読み)てせんじ

精選版 日本国語大辞典 「手煎」の意味・読み・例文・類語

て‐せんじ【手煎】

〘名〙
① 手ずから茶を煎(せん)じること。また、その茶。
浄瑠璃・信田森女占(1713)二「はしりめうとの手せんじの、はなが出ばなをのみあかす」
② 自分で煮炊(た)きをすること。自炊すること。貧乏で使用人をおけない生活をいう。
※俳諧・太郎五百韻(1679)「思ひつめてあたまこさけて入さ山 ほくしのぬくもり今は手せんし〈西鶴〉」
※浮世草子・西鶴織留(1694)二「男とひとつになって〈略〉後には手せんじする事、世にあるならひぞかし」
③ めかけ。囲い者
※浄瑠璃・松風村雨束帯鑑(1707頃)うばぞろへ「是は都の月切りにかくしをかれし手せんじや」
俗語で、手淫自慰
評判記・朱雀信夫摺(1687)上「ねごい久三郎までが俄に手煎(テセンジ)をくはたつる」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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