手探(読み)てさぐり

精選版 日本国語大辞典 「手探」の意味・読み・例文・類語

て‐さぐり【手探】

〘名〙
手先感じで物を探ること。
源氏(1001‐14頃)空蝉「てさぐりの、細く小さき程、髪のいと長からざりしけはひの、さま通ひたるも、思ひなしにやあはれなり」
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一「手探りで洋燈を点(とぼ)し」
② ひそかに様子を探ること。また、確かな方法や周囲状況がわからないままに事をすすめること。
半七捕物帳(1923)〈岡本綺堂勘平の死「立派な証拠を握ってはゐないんですから、まあ手探(テサグ)りながら無暗にあんなことを云って見たんで」

て‐さぐ・る【手探】

〘他ラ四〙 手先の感じでものを探る。また、そのようにしてよく見えない所を進む。
先生への通信(1910‐11)〈寺田寅彦巴里から「真暗階段を手探りながら登って行って」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報