所有権留保契約(読み)しょゆうけんりゅうほけいやく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「所有権留保契約」の意味・わかりやすい解説

所有権留保契約
しょゆうけんりゅうほけいやく

売買契約において、目的物の占有は買い主が取得するが、その所有権は売買代金の支払いを受けるまで売り主に留保されるという契約。自動車家具宝石などの割賦払いの売買にはこのような契約が伴うことが多く、代金債権の担保役割を果たす。代金完済に至るまでの売り主と買い主との関係は、2人の間の取決めによって決められる。取決めがない場合には、かつては、端的に売り主を所有者として扱っていたが、最近は、譲渡担保と同様、所有者は買い主であり、売り主は一種担保権を取得するにすぎないと考える傾向が強い。買い主が代金を完済しないために売り主が目的物を回収する場合には、買い主に清算金を支払わなければならない。

[高橋康之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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