所得階層(読み)しょとくかいそう

大学事典 「所得階層」の解説

所得階層
しょとくかいそう

世帯世帯主の収入を低いほうから順番に並べ,全体の世帯数を等分化して複数のグループに分類した上での各グループのことを意味する。政府の家計調査,全国消費実態調査,国民生活基礎調査などの統計に基づいて算出され,一般的に5分位や10分位の階層をつくることが多い。それ以外にも,個別の調査に基づいて操作的に所得階層を構成することがある。これらは現実の社会階層や社会階級を表すものではないが,それを代替する指標として用いられることがある。社会の高齢化や非正規雇用の増加に伴って所得格差が拡大し,とくに低所得層の経済的・社会的困難が問題になっている。大学に関する統計では,日本学生支援機構の「学生生活調査」などに基づいて,大学進学機会の格差不平等,教育費の負担と国公立大学の役割,学費免除制度,奨学金政策,学生の経済生活,アルバイトの問題などが議論されている。
著者: 大前敦巳

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報