精選版 日本国語大辞典 「惜・可惜」の意味・読み・例文・類語
あたら【惜・可惜】
(形容詞「あたらし」のもとになる部分。感動詞的語性をもつ) すぐれたもの、りっぱなもの、価値あるものに対して、それが失われたり、欠けたり、無視されたりして、むなしく終わってしまうのは残念だという感情を表わす。
※古事記(712)下・歌謡「八田(やた)の 一本菅(ひともとすげ)は 子持たず 立ちか荒れなむ 阿多良(アタラ)菅原(すがはら) 言(こと)をこそ 菅原といはめ 阿多良(アタラ)清(すが)し女(め)」
※宇津保(970‐999頃)国譲下「あたら、さてもありぬべき公(おほや)け人の、あやしうてもありつるかな。このあそんのつねになげきし物を」
あったら【惜・可惜】
(形容詞「あたらし(惜)」のもとになる部分の「あたら」の変化した語。感動詞的語性を持つが、連体詞的用法も副詞的用法もある) =あたら(惜)
※天理本狂言・腹不切(室町末‐近世初)「あったら命すてんより、かまとあふこを打かたけ」
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