悪所・悪処(読み)あくしょ

精選版 日本国語大辞典 「悪所・悪処」の意味・読み・例文・類語

あく‐しょ【悪所・悪処】

〘名〙
山道や坂など、進むのに困難な所。けわしい場所。難所
平家(13C前)五「悪所を馳すれど、馬を倒さず」
② 江戸時代、遊里芝居町をさしていう。悪所場の略ともいう。
※俳諧・江戸十歌仙(1678)三「大屋形漕ゆく人は月〈春澄〉 悪所にわかるる友声の鴈〈言水〉」
③ 生あるものが現世の悪業のむくいによって、死後行くというところ。「悪道」「悪趣」に通ずる。
往生要集(984‐985)大文一「在悪処闇中、入大火炎聚
④ 悪い点。短所欠点
明六雑誌‐三五号(1875)支那不可侮論〈中村正直〉「隣国の悪処のみを見て、その好処を知ず、妄りに之を譏るは」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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