恍・惚(読み)とぼける

精選版 日本国語大辞典 「恍・惚」の意味・読み・例文・類語

とぼ・ける【恍・惚】

〘自カ下一〙 とぼ・く 〘自カ下二〙
① わざとしらないふりをする。そのことに気づいていないようにふるまう。しらばくれる。〔文明本節用集(室町中)〕
歌舞伎傾城忍術池(1785)三「すりゃ、身共に金子を用達てたと云ふのか、恍(トボ)ける事はないわい」
② 滑稽な言動をする。また、間抜けのように感じられる。
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉三「とぼけた顔をし、剽軽な事を云ひ」
③ ぼんやりする。うっかりする。
浮世草子好色五人女(1686)二「雞とぼけて宵鳴きすれば」
④ 年をとって頭の働きが鈍る。ぼける。老いぼれる。
和英語林集成初版)(1867)「Tobokete(トボケテ) ワガコノ カオモ シラヌ」

とぼけ【恍・惚】

〘名〙 (動詞「とぼける(恍)」の連用形名詞化) とぼけること。また、その人。「おとぼけのうまい人」 〔志不可起(1727)〕

とぼ・く【恍・惚】

〘自カ下二〙 ⇒とぼける(恍)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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