思紛(読み)おもいまがう

精選版 日本国語大辞典 「思紛」の意味・読み・例文・類語

おもい‐まが・う おもひまがふ【思紛】

[1] 〘他ハ下二〙 物事をまちがって別のものと思い込む。まぎらわしく思う。思い違える。
源氏(1001‐14頃)明石「住みなれ給ひし故郷の池水、思ひまがへられ給ふに」
[2] 〘他ハ四〙 (一)に同じ。
※公忠集(986‐999)「まづ散りてのちに咲きぬるむめの花おもひまがふは雪にざりける」

おぼし‐まぎ・る【思紛】

〘自ラ下二〙 (「おもいまぎる(思紛)」の尊敬語) 他の事に心が移って、今までのお気持がうやむやになる。
※源氏(1001‐14頃)桐壺「おぼしまぎるる折もありつる昔の事、とり返し悲しくおぼさる」

おもい‐まぎ・る おもひ‥【思紛】

〘自ラ下二〙 他の事に心が移って今までの気持がうやむやになる。
※源氏(1001‐14頃)薄雲「たふとき事どもに御心まりて、れいよりは日頃へたまふにや、すこしおもひまぎれけむとぞ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android