志賀海神社(読み)シカノウミジンジャ

デジタル大辞泉 「志賀海神社」の意味・読み・例文・類語

しかのうみ‐じんじゃ【志賀海神社】

福岡市東区志賀島にある神社。祭神は、底津綿津見神そこつわたつみのかみ中津綿津見神表津うわつ綿津見神

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精選版 日本国語大辞典 「志賀海神社」の意味・読み・例文・類語

しかのうみ‐じんじゃ【志賀海神社】

福岡市北部、志賀島(しかのしま)にある神社。旧官幣小社。祭神は底津綿津見神(そこつわたつみのかみ)・中津綿津見神(なかつわたつみのかみ)・表津綿津見神(うわつわたつみのかみ)。綿津見神は海神で、神功皇后の三韓征伐を守護したと伝えられる。

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日本歴史地名大系 「志賀海神社」の解説

志賀海神社
しかうみじんじや

[現在地名]東区志賀島

志賀島南東部に鎮座する。東は玄界灘に臨む。祭神は底津綿津見神・仲津綿津見神・表津綿津見神。旧官幣小社。「延喜式」神名帳の筑前国糟屋かすや郡「志加ウミノ神社三座」に比定され、同書臨時祭にも名神としてみえる。「太宰管内志」はシカノワタツミと読む。志賀島は古来博多湾に張出す海洋交通の要衝として知られた。天平三年(七三一)七月五日の日付をもつ住吉大社司解(住吉大社文書/平安遺文一〇)に住吉社部類神の一つとしてあげられている「糟屋郡阿曇社三前」は、別の個所では志賀社と記されており当社のことをさす。同記は神功皇后の新羅侵攻の際に「挟抄」(楫取)を勤めたという当社の伝説を載せているが、同様の伝承は「八幡愚童訓」や「宗像大菩薩御縁起」にも記されている。阿曇神の名は大同元年(八〇六)の牒(新抄格勅符抄)にもみえ、神封八戸を有していた。当社の三祭神は「古事記」上巻には阿曇連の祖神、「日本書紀」神代上には阿曇連の奉祭神とみえ、当社は古代より阿曇氏により奉祀されていたと考えられる。神階は貞観元年(八五九)一月二七日に従五位下より従五位上に昇叙された(三代実録)。元慶四年(八八〇)三月二二日には糟屋郡賀津万神が正六位上から従五位下に叙されているようで(同書)、現在の境外末社沖津おきつ宮は勝馬かつま明神の別称をもつ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「志賀海神社」の意味・わかりやすい解説

志賀海神社
しかのうみじんじゃ

福岡市東区志賀島に鎮座。旧官幣小社。底津綿津見神(そこつわたつみのかみ)、中津(なかつ)綿津見神、上津(かみつ)綿津見神を祀(まつ)る。綿津見神は『古事記』『日本書紀』にあるように、安曇(あずみ)(阿曇)氏の祖神とも、奉斎神ともされている神である。安曇族は海上交通と密接に関係する氏族であり、日韓交渉が盛んになると、玄界灘(げんかいなだ)を臨む海路の要衝にある当社は海上守護の信仰を集めた。清和(せいわ)天皇の貞観(じょうがん)元年(859)には従(じゅ)五位上を授けられ、延喜(えんぎ)の制では祈年(としごい)の国幣にあずかった。大内・大友・小早川諸氏などの崇敬を受け、文禄(ぶんろく)年中(1592~1596)には豊臣秀吉(とよとみひでよし)より社領50石を寄進され、江戸時代には福岡藩主黒田氏から手厚い保護を受けた。例祭日は隔年の10月第2月曜日(国土祭(くにちさい))とその前日(御神幸祭(ごしんこうさい))。別に1月15日に近い日曜日に歩射(ほしゃ)祭が行われる。

[阪本是丸]

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百科事典マイペディア 「志賀海神社」の意味・わかりやすい解説

志賀海神社【しかのうみじんじゃ】

福岡県福岡市東区志賀島に鎮座。旧官幣小社。底津綿津見(そこつわたつみ)神・中津綿津見神・上津(うわつ)綿津見神をまつる。博多湾頭に安曇(あずみ)氏の奉斎した海神で,玄界灘航行の守護神とされる。延喜式内の名神大社。例祭のほかに歩射祭,山誉(やまぼめ)神事などがある。高麗時代鋳造という鍍金鐘などの重要文化財がある。
→関連項目志賀島

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デジタル大辞泉プラス 「志賀海神社」の解説

志賀海神社

福岡県福岡市の志賀島(しかのしま)にある神社。“志賀海”は「しかうみ」と読む。旧官幣小社。祭神は仲津綿津見神(なかつわたつみのかみ)、底津(そこつ)綿津見神、表津(うわつ)綿津見神。海上守護の神として知られる。毎年1月の「歩射祭」は県の無形民俗文化財に指定されている。

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世界大百科事典(旧版)内の志賀海神社の言及

【志賀島】より

…半農半漁の志賀島,勝馬,弘(ひろ)の3集落がある。倭奴国王印(わのなのこくおういん)(金印)の出土地として有名で,海上守護神で朝鮮鐘(重要文化財)など文化財の多い志賀海(しかうみ)神社,元寇(げんこう)ゆかりの蒙古塚,火焰塚など史跡に富む。また玄海国定公園に属し,海水浴場,国民休暇村,国民宿舎などがある。…

※「志賀海神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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