心に籠む（読み）こころにこむ

精選版 日本国語大辞典

こころ【心】 に 籠(こ)む

① 人に漏らさずに心に秘めておく。ひそかに心の中で思う。胸にたたむ。

※桂宮丙本忠岑集（１０Ｃ前）「うきことをいひてしるしのなきよりはこころにこめてあるはまされり」

※続古今（1265）恋一・一〇二三「何事も心にこめてしのぶるをいかで涙のまづ知りぬらん〈和泉式部〉」

② 心を傾ける。細心の注意を払う。

※俳諧・笈日記（1695）上「はた生死の転変を前におきながら、ほっ句すべきわざにもあらねど、よのつね此道を心に籠て」

出典　精選版 日本国語大辞典