御許山(読み)おもとさん

日本歴史地名大系 「御許山」の解説

御許山
おもとさん

正覚寺しようがくじ集落の東方、宇佐市と速見郡山香やまが町の境にあり、標高六四七メートル。八幡大神・比神が降臨した地との伝承があり、宇佐神宮の神体山であったとされる。現在、同神宮の奥宮で、頂上に神体の三つの巨石がある。古くは豊前・豊後の国境にあたり、馬城まき峰とも称し、厩岑などとも記した。弘仁一二年(八二一)八月一五日の太政官符(東大寺要録)にみえる同六年のものと思われる大神清麿等解状によると、八幡神は欽明天皇の時代に「宇佐郡馬城嶺」に現れたという。また承和一一年(八四四)六月一七日の宇佐八幡宮弥勒寺建立縁起(石清水文書)では、「宇佐郡辛国宇豆高島」に天降った八幡神は大和・紀伊などを遍歴して馬城嶺に現れたとする。いずれにせよ八幡神の聖地であった。とくに三巨石(石体権現として祀られていた)のある頂上一帯は禁足地とされたが、宇佐大宮司は就任時に石体権現を拝する神事(初拝会)を行い、また六郷山峰入りのときにも行者鳥居の中に入ることが許されたという(太宰管内志)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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