御浜(読み)みはま

改訂新版 世界大百科事典 「御浜」の意味・わかりやすい解説

御浜[町] (みはま)

三重県南部,南牟婁(みなみむろ)郡の町。人口9376(2010)。東は七里御浜砂浜海岸熊野灘に面し,北西部の山地から流れ出る市木川,尾呂志(おろし)川の流域沖積低地が開ける。古代は紀伊国牟婁郡神戸郷に含まれ,熊野の神領地であったと考えられる。室町時代には上野(うわの)に城を構えた尾呂志氏が勢力を有したが,熊野別当の出という新宮の堀内氏の支配下に属した。江戸時代は町域の大部分が紀州藩新宮領(水野氏)であった。温暖多雨の気候にめぐまれ,山腹斜面を利用したかんきつ類の栽培が盛ん。ウンシュウミカン,ナツミカンなどの生産量は県下随一で,青切ミカンの特産がある。研究機関の紀南柑橘センター(現,三重県農業研究所紀南果樹研究室)もあり,町内を広域農道オレンジロードが走る。七里御浜を海岸沿いにJR紀勢本線と国道42号線が通り,町域中央北寄りを国道311号線が通る。
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