御栗林(読み)みくるす

日本歴史地名大系 「御栗林」の解説

御栗林
みくるす

粟津あわづに所在し、往古朝廷に供御の栗を献進したといわれる。「日本書紀」神功皇后摂政前紀には「新羅征討」の帰途、九州で応神天皇を生んだ神功皇后が大和に戻ろうとした時、応神の異腹の兄にあたる坂王と忍熊王が皇位を手に入れようと反乱を起こし、神功・応神母子によって鎮圧されるという一連の物語がみえる。この物語で兄坂王を摂津菟餓野とがので失った忍熊王が、神功・応神の軍に敗れた後、宇治うじ川の北岸から「逢坂」「狭狭浪の栗林」へと逃れ、ついに「瀬田済」に追いつめられ入水したことが記されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報