御座る(読み)ゴザル

デジタル大辞泉 「御座る」の意味・読み・例文・類語

ござ・る【御座る】

[動ラ四]《四段動詞「ござある」の連体形ござある」の音変化》
「いる」の意の尊敬語。いらっしゃる。おいでになる。
「お奏者はどこもとに―・るぞ」〈虎明狂・餅酒〉
「ある」の意の尊敬語。おありになる。
茗荷めうがをこし召さぬほどに、御失念は―・るまい」〈虎清狂・鈍根草
「行く」「来る」の意の尊敬語。いらっしゃる。おいでになる。
「いや、誰ぞと存じたれば、やれやれようこそ―・ったれ」〈虎清狂・禁野
「ある」の意の丁寧語。あります。ございます。
「奏聞申サウズル事ガ―・ル」〈天草本伊曽保・イソポが生涯
正常な状態でなくなる。
㋐恋をする。ほれる。
内儀は―・ったふりしてしなだれかかれば」〈浮・夫婦気質・下〉
㋑食べ物が腐る。
「この魚はちと―・った目もとだ」〈滑・膝栗毛・初〉
㋒(「腹がござる」の形で)腹が減る。
「なんと、腹が少し、―・ったぢゃあねえか」〈滑・膝栗毛・四〉
補助動詞)補助動詞「ある」「いる」の意の丁寧語。…でございます。…ております。
「おざれ事で―・らう」〈虎清狂・鈍根草〉
[補説]室町時代から江戸時代までは広く用いられたが、否定形には室町時代には「ござない」が、江戸時代では「ござらぬ」が使われた。また、江戸時代に入ると「まする」「ます」を伴う形がしだいに一般化し、現代では特殊な場合を除いて「ございます」の形が普通になった。
[類語]腐るいたえるあざれる腐敗する酸敗する腐乱する発酵する/(3朽ちる腐食する腐朽する

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