御前達(読み)オマエタチ

デジタル大辞泉 「御前達」の意味・読み・例文・類語

おまえ‐たち〔おまへ‐〕【御前達】

[代]二人称人代名詞複数の同輩以下相手をさしていう語。
[名]宮仕え女房たち
「―も必ずさ思すゆゑ侍らむかし」〈更級
[類語]貴方方貴方達・貴方様方・あんた達・あんた等・君達・君等・おまえ等・貴様達・貴様等・てめえ達・てめえ等・汝等うぬら

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精選版 日本国語大辞典 「御前達」の意味・読み・例文・類語

おまえ‐たち おまへ‥【御前達】

(「たち」は複数を表わす接尾語)
[1] 〘名〙 貴人の前に仕える人、すなわち宮仕えの女房たち。
※枕(10C終)九九「例の、はひぶしにならはせ給へるおまへたちなれば」
[2] 〘代名〙 対称。複数。
① 相手である貴人をさす。
狭衣物語(1069‐77頃か)一「御まへたちにまさりたる人々など、いたう、『いかでいかで』とぞ言へど」
② (「おまえだち」とも) 対等以下の複数の相手に対して用いる。現代用法
ふるさと(1920)〈島崎藤村〉二「太郎よ、次郎よ、お前達は父さんの生れた山地の方のお話を聞きたいと思ひますか」

おめえ‐たち【御前達】

〘代名〙 (「おまえたち(御前達)」の変化した語) 対称。対等以下の相手に対して用いる。
洒落本・酒徒雅(1803)「おめへたちはけへりな」

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