従・随(読み)したがえる

精選版 日本国語大辞典 「従・随」の意味・読み・例文・類語

したが・える したがへる【従・随】

〘他ア下一(ハ下一)〙 したが・ふ 〘他ハ下二〙 (室町時代ごろからヤ行にも活用した。→したがゆ)
① 人をひき連れる。おともとしてひきいる。
※観智院本三宝絵(984)中「五百の人を身にしたかへて東より空を踏てきたて」
② 言うなりにさせる。服従させる。
落窪(10C後)四「我こそ人をばしたがへしか、人にしたがふ身となりにたるが悲しき」
③ 所持する。身にたずさえる。
海道記(1223頃)序「猛豪の三兵は手にしたがへて互に雄称す」
徒然草(1331頃)一八「さらに身にしたがへるたくはへもなくて」
物事の程度に応じるようにする。
今昔(1120頃か)三「汝が歩む足の跡の土を取て塵と成して、其の塵の数に随へて一の塵に一劫を充てて其の罪を滅せむ」
⑤ ある主となるものに、従となるものをその後に加える。
史記抄(1477)五「秦始皇帝者秦荘襄王子也と云は、其名に従へてしるすぞ」

したが・ゆ【従・随】

〘他ヤ下二〙 (「したがふ(他ハ下二)」から転じて、室町時代ごろから用いられた語。多く、終止形は「したがゆる」の形をとる) =したがえる(従)
※天草版金句集(1593)「トクギ ヲモッテ ヒトヲ xitagayureba(シタガユレバ)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android