待兼(読み)まちかね

精選版 日本国語大辞典 「待兼」の意味・読み・例文・類語

まち‐かね【待兼】

[1] 〘名〙
① 待ちかねること。待ちわびていること。→お待ちかね。〔文明本節用集(室町中)〕
② (来ぬか来ぬかと待ちかねる意から) 小糠(こぬか)をいう女房詞。〔咄本醒睡笑(1628)〕
③ 連歌・連句で、初折裏移りに、すぐ神祇・釈教・恋などを出すこと。表(おもて)に禁じてあるのを、裏になって待ち兼ねたように詠むことをいやしめていう。
④ 伊勢赤味噌仕込み桶の底に敷いておいたぬか。熟成すると味噌より風味がよいとされる。〔料理山海郷(1750)〕

まち‐か・ねる【待兼】

〘他ナ下一〙 まちか・ぬ 〘他ナ下二〙 待っていることを耐え難く思う。待ちわびる。
万葉(8C後)一四・三五六二「荒磯やに生ふる玉藻のうちなびき一人や寝らむ吾(あ)を麻知可禰(マチカネ)て」

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