彼体(読み)アレテイ

デジタル大辞泉 「彼体」の意味・読み・例文・類語

あれ‐てい【彼体】

あのくらい。あの程度。あのざま。多く対象を見下していう。
「女房これを聞き…、―の者をば、すかさばやと思ひ」〈伽・物くさ太郎

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「彼体」の意味・読み・例文・類語

あれ‐てい【彼体】

〘名〙 あのような状態。あの程度。あれほどのさま。
(イ) 卑しめていう場合。あんなざま。あのていたらく。
平治(1220頃か)中「あれ躰の不覚人あれば、中々軍(いくさ)がせられぬぞ」
風姿花伝(1400‐02頃)三「我はあれていにわろき所をばすまじき物をと、まん心あらば」
(ロ) 単に例示する場合。
※虎明本狂言・花子(室町末‐近世初)「心、ことばのやさしき事、都にもあれていの女はござ有まじひとぞんじ」

かれ‐てい【彼体】

〘名〙 (「てい」は名詞に付けて、そのものを卑しんでいう語) あれっくらいの程度。あのよう。あんなざま。あいつふぜい。あれてい。
曾我物語(南北朝頃)一「かれていの相撲をば、十人ばかり一つかみにて、物をぬぎおき、たづなかきまうけ」

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