当然・当前(読み)とうぜん

精選版 日本国語大辞典 「当然・当前」の意味・読み・例文・類語

とう‐ぜん タウ‥【当然・当前】

[1] 〘名〙
① (形動) その事柄が、どう考えてもそうあるべきであること。そうであることが、なんら疑問の余地のないこと。あたりまえであること。また、そのさま。
太平記(14C後)一九「敵の欺かん事尤も当然(タウゼン)也」
※偽悪醜日本人(1891)〈三宅雪嶺〉濁〈林辨次郎〉「且其説く所浅薄にして卑近なるが故に自今益其勢力を失ふは当前なり」 〔資治通鑑‐宋紀〕
[2] 〘副〙 (「と」を伴って用いることもある) その事柄が、どう考えても疑問の余地のないさまを表わす語。
侏儒の言葉(1923‐27)〈芥川龍之介〉批評学「当然かう言ふ例のやうに区別しなければなりません」
[補注]日本では、「当前」と書かれる例もあり、それを訓読して「あたりまえ」ということばが生じたと考えられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android