弓弦(読み)ゆみづる

精選版 日本国語大辞典 「弓弦」の意味・読み・例文・類語

ゆみ‐づる【弓弦】

〘名〙 弓に張る撚糸(よりいと)。苧(お)を撚(よ)り、薬煉(くすね)を塗って製したものを白弦といい、さらにこれに漆を塗ったものを塗弦という。ゆみのつる。ゆづる。つる。〔十巻本和名抄(934頃)〕
※将門記承徳三年点(1099)「忘れて兵の事を却(しりぞけ)て後、絃(ユミツル)を緩(ゆるべ)て安居しぬ」

ゆ‐づる【弓弦】

〘名〙 「ゆみづる(弓弦)」の変化した語。
書紀(720)景行一二年一二月(熱田本訓)「市乾鹿文密かに父の弦(ユツル)を断ちて」
草枕(1906)〈夏目漱石〉九「鳴りやまぬ弦(ユヅル)を握った心地である」

ゆん‐づる【弓弦】

〘名〙 「ゆみづる(弓弦)」の変化した語。〔羅葡日辞書(1595)〕
日本橋(1914)〈泉鏡花一六電話口女中が矢継早の弓弦(ユンヅル)を切って、断念めて降参する」

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デジタル大辞泉 「弓弦」の意味・読み・例文・類語

ゆみ‐づる【弓弦】

弓に張る糸。麻をより合わせて薬煉くすねを塗ったものを白弦、さらに漆を塗ったものを塗り弦という。ゆづる。

ゆ‐づる【弓弦】

ゆみづる」の音変化。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「弓弦」の読み・字形・画数・意味

【弓弦】きゆうげん

ゆづる。

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