弦・絃・鉉(読み)つる

精選版 日本国語大辞典 「弦・絃・鉉」の意味・読み・例文・類語

つる【弦・絃・鉉】

〘名〙
① 弓に張る糸。弓弦(ゆみづる・ゆづる)つら
※大唐西域記巻十二平安中期点(950頃)「諸馬の案、人の服、弓の弦(ツル)、甲の縺を凡そ厥の帯へる糸を鼠皆齧み歯み断ちつ」
② 琴などの弦楽器に張る糸。また、それを張った楽器。三弦、三味線など。〔大治本新華厳経音義(奈良末)〕
浄瑠璃・一谷嫩軍記(1751)二「色事はこっち任せ、三絃(ヅル)もちっくりかじるてや」
③ 鍋(なべ)土瓶(どびん)などにつけてある弓形の取手(とって)
※鎌倉殿中以下年中行事(1454か)「薬鑵など参時は、右の手にてはつるを取」
④ (「梁」とも) 枡(ます)の口に対角線にわたした細い鉄の板。穀物をはかるときに斗掻きでならすことを確実にするためのものという。
※制度通(1724)九「これは西南より東北へ、升の梁(ツル)のごとくに角ちがひにゆきたるものなり」
⑤ (弦) 大型和船の上棚のはぎ板の称。近世以後の大型和船の上棚は、数枚の板をはぎ合わせて構成されるが、そのうち船梁を貫通させる最も重要なはぎ板をいう。五百石積以上の大船では表弦・艫弦の前後二材に分ける。つるいた。
※新造精帳書(1863)「楠八尋板 二枚 つる」
⑥ ⇒つる(蔓)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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