弖爾乎波・手爾遠波(読み)てにをは

精選版 日本国語大辞典 「弖爾乎波・手爾遠波」の意味・読み・例文・類語

て‐に‐を‐は【弖爾乎波・手爾遠波】

〘名〙 (主要な助詞「て」「に」「を」「は」の四つを連結して、同類の諸語の総称としたもの)
漢文を訓読する時、補読しなければならないような語。国語の助詞、助動詞接尾辞用言の活用語尾など。てには。
八雲御抄(1242頃)六「わが身も草におかぬばかりをといへる歌は、いとしもなき人は、おかぬばかりぞなどいふにや。それは又、てにをはのやうをしらざる也」
② 助詞・助動詞等の用法。文の表現法。言葉づかい。てには。
※八雲御抄(1242頃)六「てにをはの少したがひたるよりは、それを合はせんとだびて聞えたるは、まさりてわろし」
※談義本・根無草(1763‐69)後「虚言(うそ)あれば、てれんあり。〈略〉文(あや)なすといひ、懸けるといふ。手爾於葉(テニオハ)の違(たが)ひはあれど」
③ 話の前後の関係。話のつじつま。てには。
※談義本・教訓乗合船(1771)四「古き軍談上手の弁者は、〈略〉てにをはを面白く談じ」
④ 付属語のうち、活用のないもの。助詞をいう。大槻文彦の用法。てには。〔語法指南(1889)〕
[語誌]平安時代漢文訓読に使用されたヲコト点のうち、博士家で用いた点図では、漢字四隅の点を、左下から右まわりに読むと「てにをは」となる(左下から読むのは、漢字の四声、平上去入の呼び方と同じ)。これによって点法を「てにをは点」と総称するとともに、この「て・に・を・は」四語によって、点図の点で表わされる付属語の類を代表させたのである。→「てには」の語誌

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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