弓谷鑪跡(読み)ゆんだにたたらあと

日本歴史地名大系 「弓谷鑪跡」の解説

弓谷鑪跡
ゆんだにたたらあと

[現在地名]頓原町志津見

神戸かんど川右岸の弓谷にある高殿(タタラ)跡。経営は吉田よしだ(現吉田村)田部家。中谷鑪履歴(田部家文書)によると、弓谷鑪は寛政一二年(一八〇〇)懸合かけや(現掛合町)井原谷いはらだに鑪をこの地に移し、天保一〇年(一八三九)まで操業した。能義郡比田村金屋子神社奉賀帳(和鋼博物館寄託)には文化四年(一八〇七)に弓谷鑪の村下弥五郎や炭坂林右衛門・大工重右衛門の名がみえる。志津見の明劔しつみのみようけん神社が所蔵する文久二年(一八六二)の金屋子大明神社棟札に願主として吉田村の田部長右衛門源豊房の名がみえ、天保一〇年以来休山していた鑪場が松江藩広瀬藩からの許可を得て文久二年から操業を再開したことが記される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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