広野郷(読み)ひろのごう

日本歴史地名大系 「広野郷」の解説

広野郷
ひろのごう

和名抄」東急本・刊本に郷名が載り、高山寺本には記載を欠き、諸本とも訓は記されない。加茂かも川下流左岸の沖積平野を中心とする地域、現津山市に含まれる明治二二年(一八八九)成立の広野村付近、なら近長ちかなが河面こうも一帯が郷域と考えられる。平城宮跡出土木簡に「美作国勝田郡広野」とある。下端の文字が判読できないが、同所の溝から一括出土した木簡のうち、貢進物の判明するものがすべて鍬類なので、木簡も鍬の貢進物付札と推定される。同じく「(表)美作国勝田郡広□郷米五斗」「(裏)□米子虫」があり、当郷か広岡ひろおか郷のいずれかである。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android