幹線系線区(読み)かんせんけいせんく

改訂新版 世界大百科事典 「幹線系線区」の意味・わかりやすい解説

幹線系線区 (かんせんけいせんく)

国鉄(現,JR)がみずからの経営努力(近代化,合理化など)を行うことにより,自立経営が可能であり,鉄道特性を発揮しうる,としていた線区のこと。都市間・大都市圏旅客輸送,大量・定形貨物輸送を行っている線区などがこれに該当し,全国で70線区,約1万2000kmあった。幹線系線区は,日本国有鉄道経営再建促進特別措置法(1980公布)の規定に基づき決められた。同法では(1)10万都市を相互に連絡する30kmを超える区間があり,その区間内の各駅間の旅客輸送密度(営業キロ1km当りの1日平均旅客輸送人員)が4000人以上である線区,(2)10万都市と(1)の線区とを連絡する30kmを超える区間があり,その区間内の各駅間の旅客輸送密度が4000人以上である線区,(3)貨物輸送密度が4000t以上の線区,の三つの区分に該当する線区を幹線鉄道網と呼び,この幹線鉄道網と旅客輸送密度8000人以上の線区を合わせたものを国鉄では幹線系線区と呼んだ。幹線系線区は営業キロでみると国鉄全線の55%,旅客と貨物を合わせた輸送量および収入の面でみると,いずれも国鉄全体の90%以上を占め,国鉄経営上きわめて重要な位置を占めていた。
地方交通線
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