平行棒(体操競技)(読み)へいこうぼう(英語表記)parallel bars

翻訳|parallel bars

日本大百科全書(ニッポニカ) 「平行棒(体操競技)」の意味・わかりやすい解説

平行棒(体操競技)
へいこうぼう
parallel bars

体操競技における男子器械種目の一つ(平行棒運動)。また、その器械名。長さ350センチメートル、短径4.0センチメートル、長径5.0センチメートルの楕円(だえん)形で、中にグラスファイバー芯(しん)が入った木製棒(バー)が2本平行に固定され、2本のバーの間隔は42センチメートルから52センチメートルの間で調節できる。棒端からそれぞれ60センチメートルの部位支柱で床面から200センチメートルの同一の高さに固定する。使用するマットの厚さは20センチメートルである。

 平行棒を意味するBarrenは、中央高地ドイツ語のBarreからきたもので「棚」の意味をもつ。1811年、ドイツのF・L・ヤーンによって創案され、あん馬の予備運動として行われていたものが体操競技の種目として発展した。

 演技は、主として縦向き体勢で、弾力のある2本の両棒を握って行い、支持振動(体を振る)系、腕支持振動系、懸垂系の運動を中心に、静止技などを組み合わせて行う。演技構成上、棒上、棒下での多彩な運動が求められ、横向き体勢での技も組み入れられる。かつて、力技が要求された時代もあったが、現行ルール(2019年時点)では、その要求はなくなっている。1896年の第1回オリンピック・アテネ大会よりオリンピック種目(種目別)となった。

[三輪康廣・後藤洋一 2020年2月17日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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