平石峠(読み)ひらいしとうげ

日本歴史地名大系 「平石峠」の解説

平石峠
ひらいしとうげ

金剛山地(葛城山系)岩橋いわはし(六五八・八メートル)北西にあり、標高三七七メートル。かつては大和・河内の国境で、現在は奈良県北葛城きたかつらぎ當麻たいま町との境。「河内志」の間道の項に「平石嶺在平石村上方葛下郡界至大个塚一里二十町」、「大和志」の間道の項に「平石峠石川郡界外、通平石村、因名、至竹内二十一町」とある。平石峠を越える道は北方の當麻町竹内たけのうちで竹内峠を越える丹比たじひ(のちの竹内街道)と合して奈良盆地南部の横大路に続く。石川上流の南河内地方と奈良盆地とを結ぶ峠であるが、標高が高く利用度はそれほど高くなかった。付近一帯は金剛山地・和泉山脈行場とする葛城修験霊場であったと思われ、「葛嶺雑記」は「葛城二十八越」の一つにこの峠をあげ、「平石峠経塚」として「古記に随ひて和州より河内にいたらんと峠を十間斗下り、往来の左り手に有」と記す。

平石峠
ひらいしとうげ

大和・河内国境の金剛山地中の峠。標高六五八・八メートルの岩橋いわはし山の西北約一キロの地点で、竹内たけのうち峠南方にあたる。

「庁中漫録」に「平石越細道筋 和州郡山ヨリ河内国境迄之道法 但し河内国平石村江出ル道筋」「右道法合五里三十二町四十間 国境ヨリ河内之内平石村江十四町」、「大和志」に「石川郡界外通平石村因名」とあり、現大和郡山市と現大阪府南河内郡河南かなん町大字平石を結ぶ道があった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報