平均地権(読み)へいきんちけん(英語表記)Ping-jun di-quan; P`ing-chün ti-ch`üan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「平均地権」の意味・わかりやすい解説

平均地権
へいきんちけん
Ping-jun di-quan; P`ing-chün ti-ch`üan

中国,孫文が唱えた三民主義のうちの民生主義における政策。地権の平均ともいわれ,土地所有の均等化を目指したもの。 H.ジョージ土地単税論をもとに,中国の事情をふまえてそれを適用したもので,外国資本の導入に伴う地価騰貴と,それによる不当な利益をなくすための政策であり,現実的には土地に対する課税として行われた。つまり地価より安く申告が行われた場合は,政府がこれを買上げ,高く申告がなされた場合は,多く課税するというもの。また地価が決定したのちに,その地価が値上がりした場合にはその値上がり分を政府が取上げるというように,おもに土地の値上がりで地主が不当にもうけることを防止することが目的であった。その後,中国共産党助言でこの平均地権の具体策として「耕者有其田」,つまりその土地を実際に耕作する者がその土地の所有権をもつという制度が提唱され,新中国での社会主義的な土地改革に継承された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android