平出水村(読み)ひらいずみむら

日本歴史地名大系 「平出水村」の解説

平出水村
ひらいずみむら

[現在地名]大口市平出水

淵辺ふちべ村の西にあり、北は山野やまの山野村、西は出水いずみ郡出水郷大川内おおかわうち(現出水市)。中央を平出水川が東へ流れ、川沿いを中心に田園が広がる。北東小木原こぎはら村で大口筋から分れ、淵辺村と当村を通り出水郡に通じる道がある。南東羽月はつき鳥巣とりす村との間に鳥神とがみ(地元では「とがめ」ともよぶ)がある。地名平泉、平和泉とも記される。

寛正六年(一四六五)一一月一五日の田代肥前(清定)宛の牛山院坪付(田代家文書写)には、「ひらいつミの内」に屋敷があったことがみえる。文明六年(一四七四)八月の行脚僧雑録(旧記雑録)には「平和泉仁宇宿左馬助」とあり、室町後期には当地に城が築かれていたことがわかる。城主宇宿氏は鎌倉時代から牛屎うしくそ院の地頭職を有した島津氏一族山田氏の庶家である。また同一六年からの伊作久逸の乱で討死した島津豊久(島津久豊子、義岡氏祖)は、「薩州平泉」を与えられ、当所に居住していた(義岡氏系図)。その後享禄三年(一五三〇)に大口城が菱刈氏の手に帰すと、平泉も同氏の支配下に入ったらしい。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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