日本大百科全書(ニッポニカ) 「平(福島県)」の意味・わかりやすい解説
平(福島県)
たいら
福島県浜通り南東部にあるいわき市の中心地区。旧平市。地名については、平泉(ひらいずみ)説、平氏(たいらうじ)説、飯野平(いいのだいら)説などがある。中世は岩城(いわき)氏の所領、近世は1602年(慶長7)鳥居氏が築城、その後、鳥居、内藤、井上、安藤氏らの平藩の城下町として発展し、1871年(明治4)には磐城平県(いわきたいらけん)の県庁が置かれた。古くから陸前浜街道が通じる交通の要地でもあった。1937年(昭和12)市制施行し、その後、飯野、神谷(かべや)などの村々、豊間(とよま)町などと合併したが、1966年(昭和41)5市4町5村が合併していわき市が成立し、平はその中心となった。JRいわき駅(旧、平駅)の周辺には、市役所、国や県の出先機関、市立美術館など多くの都市機能が集積する。商店も大型店が多い。浜通り地区の行政、経済、文化の中心としての性格が濃い。
[原田 榮]
『『概説平史』(1959・平市役所)』
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