帰詣来(読み)かえりもうでく

精選版 日本国語大辞典 「帰詣来」の意味・読み・例文・類語

かえり‐もうで・く かへりまうでく【帰詣来】

〘自カ変〙 (「まうでく」は「までく」とも書かれる)
① 尊い所や貴人のもとに帰って来る。
※竹取(9C末‐10C初)「中納言の給やう、いとよき事なりとて、あなないをこぼし、人皆かへりまうできぬ」
② 外国から日本に、地方から都へ、また、この世に、帰って来る。用例がほとんど詞書対話に限られるので、③の一種で「帰って参ります」の意ともみられる。
古今(905‐914)羇旅・四〇六・左注「昔、仲麻呂をもろこしにものならはしにつかはしたりけるに、あまたのとしを経て、えかへりまうでこざりけるを」
③ (「もうでく」は、詞書や対話に用いて、聞き手に対し、話し手側の者の「来る」ことをへりくだり丁重にいう用法のもの) 「帰り来(く)」を丁重にいう。帰って来ます。帰ってまいります。
※古今(905‐914)離別・三九三・詞書「山にのぼりてかへりまうできて、人々別れけるついでによめる」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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