布金庵跡(読み)ふきんあんあと

日本歴史地名大系 「布金庵跡」の解説

布金庵跡
ふきんあんあと

[現在地名]金砂郷村下宮河内

あさ川の東側の高台に布金とよばれる地があり、増井正宗ましいしようじゆう(現常陸太田市)末の布金庵の跡地と伝える。

「新編常陸国誌」の上宮河内かみみやかわち村の項に「布金庵 鎌倉将軍ノ時、増井正宗寺達悟和尚ノ開山ナリ、コレニ依テ正宗寺ヨリ管スルナリ、然ルニ山入ノ乱、佐竹義舜浪々セラルヽニ依テ、国中紛乱ノ間、暫ク正宗寺ヲ離レタリシガ、山入氏滅亡シテ、義舜位ニ復スルノ後、再正宗寺ニ附セラル、熊野権現ヲ鎮守トス、寺領ハ久慈郡塩原村ニテ、三十五貫文ト云ヘリ、正宗寺旧記云、三谷河内ノ布金庵還慶〔義舜〕御寄進本モ寺領ナリ、尚御取合ニ中北違失御洞御静謐之上、正宗寺ヘ被附ナリ、布金ハ開山達悟和尚増井ノ末寺ナリ、布金鎮守熊野、大同元年ニ被立ナリ、昔者金砂別当職ヲ増井ヘ二階堂殿寄附ナリ、建治年中ナリ、又金砂之文書ハ、増井ノ前住前南禅達悟益和尚、嵯峩ヘ御登ノ時、被持嵯峩災上之時焼失了、三谷河内ニ御影講ト云フアリ、二階堂殿ノ御影ノ事ナリ、又云、塩原方三十五貫、布金ヘ所務ナリ」と記され、また「布金庵今廃ス」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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