差止・刺留・鎖留(読み)さしとめる

精選版 日本国語大辞典 「差止・刺留・鎖留」の意味・読み・例文・類語

さし‐と・める【差止・刺留・鎖留】

〘他マ下一〙 さしと・む 〘他マ下二〙
① (刺留) 突き刺して動かないようにする。刺し殺す。さしとどむ。
書紀(720)雄略五年二月(寛文版訓)「逆射(まてい)て、且つ刺(サシトメ)しめよ」
普賢(1936)〈石川淳〉九「針先で一点に刺し止められた蛾でしかなく」
② 棹(さお)をさして船をとめる。停泊させる。さしとどむ。
源氏(1001‐14頃)澪標「けふは難波に船さしとめて」
③ (鎖留) 門や戸を閉ざして内に留める。さしこめる。
※源氏(1001‐14頃)東屋「さしとむる葎やしげき東屋のあまり程ふる雨そそぎかな」
④ (「さし」は接頭語) ある動作をやめさせる。また、禁止する。さしとどむ。
※古活字本毛詩抄(17C前)一六「旅を退治せうとて密の行をみもとさしとめてやられぬぞ」
※近世紀聞(1875‐81)〈染崎延房〉五「長州一藩は入京を差禁(サシトメ)られしを」

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