差回・指回・鎖回(読み)さしまわす

精選版 日本国語大辞典 「差回・指回・鎖回」の意味・読み・例文・類語

さし‐まわ・す ‥まはす【差回・指回・鎖回】

〘他サ五(四)〙
[一] (「さし」は接頭語)
① まわす。
※新古今(1205)賀・七二二・詞書「わかき人々さそひ出でて、池のふねにのせて、なかじまの松かげさしまはすほど、をかしくみえ侍りければ」
② ある場所から他の場所へ、必要な物、人などを送る。現代では、乗物についていうことが多い。さし向ける。さしつかわす。
蜻蛉(974頃)上「車さしまはして、幕などひきて」
経国美談(1883‐84)〈矢野龍渓〉後「両議案を中央公会に提出して之を議決し、又之を五百名会に差し廻しけり」
③ (指回) 能楽舞踊などで、さしまわしの型をする。
[二] (鎖回) 門や戸などを、すっかりとじてしまう。しめきる。また、びょうぶなどを立てめぐらす。
※尾張家本今鏡(1170)六「門どもさしまはして、さきざきにも似ず厳しげなりければ」

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