崇福寺(滋賀県)(読み)すうふくじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「崇福寺(滋賀県)」の意味・わかりやすい解説

崇福寺(滋賀県)
すうふくじ

滋賀県大津市滋賀里(しがさと)町にあった古寺志賀(しが)寺、志賀山(しがさん)寺、紫郷山(しがさん)寺ともいう。大津宮に遷都した翌年(668)天智(てんじ)天皇の勅願により創建された。729年(天平1)官寺に列し、聖武(しょうむ)天皇、嵯峨(さが)天皇の行幸礼仏などがあって栄え、十大寺の一に数えられた。のち平安時代に数回の火災と地震にあい、1057年(天喜5)弥勒(みろく)三尊仏を供養(くよう)して再興されたが、1163年(長寛1)に延暦(えんりゃく)寺の山徒が園城(おんじょう)寺を焼打ちした際に、当寺も灰燼(かいじん)に帰し、1230年(寛喜2)園城寺に付属して、以後再建されることがなかった。1941年(昭和16)崇福寺跡として国史跡に指定。1939年塔址(とうし)心礎より金属箱と瑠璃壺(るりつぼ)に納めた仏舎利が出土し、国宝に指定された。小金堂址、弥勒堂址がある。

[平井俊榮]

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