峨々温泉(読み)ががおんせん

日本歴史地名大系 「峨々温泉」の解説

峨々温泉
ががおんせん

[現在地名]川崎町前川

青根あおね温泉の西方刈田かつた岳直下の御釜おかま水源とし柴田刈田郡境を東流するにごり川の渓谷上流部にあり、四周を断崖に囲まれる。泉質はアルカリ性で、胃腸病・皮膚病・脚気などに特効があるとされる。寛永年間(一六二四―四四)出羽国村山むらやま宝沢ほうざわ(現山形市)の猟師鬼六が手負いの鹿の入浴を見かけて発見、同所の金蔵鹿しかの湯と名付け浴舎を設けたのが始まりと伝えるが、その後さびれ自然湧出のまま放置された。「宮城県温泉志」によると、明治初年に天童てんどう(現山形県天童市)の侠客博徒数十名が当地に滞留して湯泉を開き、また硫黄を採取した。ちょうどその頃凶作となり米価が高騰、博徒らの行為が山神の怒りにふれたためと考えた柴田・刈田両郡の農民が騒ぎ出したために温泉は閉鎖を命ぜられた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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