岸辺福雄(読み)きしべふくお

日本大百科全書(ニッポニカ) 「岸辺福雄」の意味・わかりやすい解説

岸辺福雄
きしべふくお
(1873―1958)

口演童話家、幼児教育家。福叟(ふくそう)と号す。鳥取県生まれ。兵庫師範学校を卒業し、母校教諭等を経て上京。東洋幼稚園を設立して幼児教育に従事したことから口演童話に関心をもち、巌谷小波(いわやさざなみ)、久留島武彦(くるしまたけひこ)と並んで口演童話の三羽烏(がらす)と称せられた。喃々会(なんなんかい)をつくって口演童話を指導し、大正末期よりは絵雑誌コドモノクニ』の編集顧問も務める。口演童話集に『岸辺福叟名話集』(1942)、その理論書に『お伽噺(とぎばなし)仕方の理論と実際』(1909)などがある。

上笙一郎

『内山憲尚編『日本口演童話史』(1972・文化書房博文社)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「岸辺福雄」の解説

岸辺福雄 きしべ-ふくお

1873-1958 明治-昭和時代の教育者。
明治6年2月14日生まれ。岸辺成雄(しげお)の父。明治36年東京に東洋幼稚園を,のち岸辺幼稚園を創設。口演童話の実践で知られる。大正10年北原白秋らと雑誌「芸術自由教育」を創刊。昭和33年9月9日死去。85歳。鳥取県出身。兵庫県尋常師範(現神戸大)卒。号は福叟(ふくそう)。著作に「岸辺福叟名話集」など。

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