岫崎関(読み)くきがさきのせき

日本歴史地名大系 「岫崎関」の解説

岫崎関
くきがさきのせき

現清水市興津東おきつひがし町から由比ゆい町付近の海岸部、あるいは興津中おきつなか町付近に比定する説もある。「日本紀略」天慶三年(九四〇)正月二五日条に「駿河国岫崎関」とみえ、平将門の乱に関係して、当関が凶党によって打破られたなどの報告が遠江・伊豆国からあった。「能因歌枕」に「くきかさき」とみえ歌枕になっている。貞応二年(一二二三)四月一三日、「海道記」の作者は清見きよみ関の跡を見て興津の浦を過ぎ、当地に至り、「岫か崎といふ処は、風飄々と翻りて砂をかへし、波、浪々と乱れて人をしきる、行客ここにたへ、暫くよせひく波のひまを伺ひて急き通る、左はさかしき岡の下、岩のはさまを凌きゆく、右は幽かなる波の上、望めは眼うけぬへし、遥々と行くほとに」大和多の浦に着いている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android