山田清三郎(読み)やまだせいざぶろう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「山田清三郎」の意味・わかりやすい解説

山田清三郎
やまだせいざぶろう
(1896―1987)

小説家評論家。京都市に生まれる。小学校中退後、各種の職業を転々とした。のち上京、『種蒔(ま)く人』『文芸戦線同人を経て、『戦旗』の編集などナップ系の重要な仕事を歴任。その間『幽霊読者』(1926)、『五月祭前後』(1929)などの刊行によってプロレタリア作家として認められ、一方『日本プロレタリア文芸運動史』(1930)、『ナップ戦線に立ちて』(1931)などの著書で評論家としても実績を築いた。『プロレタリア文学史』(1954)、『転向記』(1957~58)ほか多数の著書がある。

[大塚 博]

『『日本現代文学全集69 プロレタリア文学集』(1969・講談社)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「山田清三郎」の解説

山田清三郎 やまだ-せいざぶろう

1896-1987 大正-昭和時代の小説家,評論家。
明治29年6月13日生まれ。プロレタリア文学運動で活躍するが,のち転向。満州新聞にはいり,敗戦でソ連抑留。帰国後,新日本文学会に所属した。昭和62年9月30日死去。91歳。京都出身。著作に「幽霊読者」「転向記」など。

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