出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
山形県北東部の市。1959年市制。人口1万8955(2010)。山形盆地の北,尾花沢盆地の東半を占める。西端を最上川がかすめ,その支流丹生(にゆう)川の段丘が広く発達する。飛驒の高山,越後の高田(上越市)とともに日本三大多雪地とされている。戦国時代には最上氏の部将野辺沢氏の領地であったが,1636年(寛永13)以降は天領になった。中心地尾花沢には幕府代官の陣屋が置かれ,野辺沢(延沢)銀山が栄えた寛永年間にはその集出荷地としてにぎわった。また近世には羽州街道の宿場町として発展し,牧馬地をひかえて馬市も開かれた。芭蕉が訪れた鈴木清風はこの町の紅花商人であった。明治以降は奥羽本線からはずれたが,国道13号線(羽州街道)が通る北村山地方の商業中心地となっている。長根山丘陵の東麓にある徳良湖(灌漑用人工湖)付近は《花笠音頭》の発祥の地といわれる。主産業は水稲を主とする農業で,スイカの特産地。東方奥羽山脈の麓に銀山温泉がある。
執筆者:中川 重
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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