尼寺廃寺(読み)にんじはいじ

日本歴史地名大系 「尼寺廃寺」の解説

尼寺廃寺
にんじはいじ

[現在地名]香芝市大字尼寺

尼寺集落を挟んで北遺構と南遺構がある。南遺構は般若はんにや院付近にあって、門前礎石のもつ土壇や本堂の周辺から凝灰岩の地覆石をもつ金堂とみられる遺構が検出され、素弁蓮華文鐙瓦(白鳳時代、高句麗様式)・単弁蓮華文鐙瓦・重弧文宇瓦・細弁蓮華文鐙瓦・複弁蓮華文鐙瓦(本薬師寺、藤原宮式)・鴟尾片などの古瓦が出土している。北遺構は香塔こうとう寺(現王寺町)の東側の水田中に塔跡が残っている。平成八年(一九九六)塔跡から法隆寺若草伽藍と酷似する心礎が発見され、出土瓦などから創建は七世紀前半とみられている。高さ約一メートルの塔基壇が約一〇メートル四方ほど残り、直径約一・五メートルの礎石一二個が残存

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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