尚侍(読み)ナイシノカミ

デジタル大辞泉 「尚侍」の意味・読み・例文・類語

ないし‐の‐かみ【尚侍】

内侍司ないしのつかさ長官。もと従五位相当、のち従三位相当。天皇近侍して、奏請・伝宣などをつかさどったが、のちには女御にょうご更衣こういに準じて後宮に列するようになった。しょうじ。

しょう‐じ〔シヤウ‐〕【尚侍】

《「しょうし」とも》
明治大正時代の、宮中女官の最高の官名
ないしのかみ(尚侍)

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精選版 日本国語大辞典 「尚侍」の意味・読み・例文・類語

しょう‐じ シャウ‥【尚侍】

〘名〙 (「しょうし」とも)
令制で、後宮の内侍司(ないしのつかさ)の長官。定員二人。天皇に近侍して、太政官以下の男官と天皇との間の取次役(奏請・宣伝)を果たし、後宮にいる女嬬(にょじゅ)を取締った。また後宮の礼式などをつかさどった。ないしのかみ。〔令義解(718)〕
② 明治・大正時代の皇室の女官の最上位の官名。勅任官とした。〔太政官第九八二‐明治二年(1869)一〇月一二日〕

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世界大百科事典(旧版)内の尚侍の言及

【内侍司】より

…後宮内の中心的な司であった。職員としては尚侍(ないしのかみ)2名,典侍(ないしのすけ)4名,掌侍(ないしのじよう)4名,女孺(によじゆ)100名が置かれた。その職掌は天皇への常侍,奏請・宣伝(上申および命令の下達),女孺の監督,内外命婦(みようぶ)の朝参のこと,禁内礼式等であった。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」