小郷野村(読み)こごうのむら

日本歴史地名大系 「小郷野村」の解説

小郷野村
こごうのむら

[現在地名]喜連川町穂積ほづみ

河戸こうと村の東、塩那えんな丘陵北東に位置する山間小村。北上してほうき川辺に出る最短の道があり、土地では秀衡ひでひら道とよんだ。奥州街道喜連川宿つるヶ坂から東行する間道で、関街道(福原経由)へ出る旅人は小郷野の辻を目指して歩いたという。村名は郷帳類に徴して小郷野であるが、地域一帯の住民には「くごうの」「くぐうの」と称呼する人々が多く、「く」が転音とのみいえない。「久郷野」と読み書きした時代があったことは確かであろう。

那須郡に属する。明治元年(一八六八)の村鑑帳(川上豊文書)に、延宝六年(一六七八)の那須氏による検地帳および宝永四年(一七〇七)幕府領代官による検地帳があると記されるので、貞享四年(一六八七)までは那須氏領(天和元年烏山入封)、同年烏山藩廃絶に伴い上知されたものと推定される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android