小手森城(読み)おでもりじょう

日本の城がわかる事典 「小手森城」の解説

おでもりじょう【小手森城】

福島県二本松市(旧東和町)にあった戦国時代の山城(やまじろ)。塩松地方(中通り地方北部)を支配していた小浜城(同市小浜字下館)の大内氏の支城。同市愛宕森地区の円錐形の独立丘の山頂部に築かれていた。大内氏以前に一帯を支配していた石橋氏が四本松城(同市上長折字古館)の支城として築いたともいわれるが、築城者・築城年代は明らかではない。城の規模はそれほど大きくないが、山頂に主郭を配し、北の尾根筋に数段の曲輪(くるわ)を設けた堅固な城だった。1585年(天正13)、伊達政宗(まさむね)は大内氏の本城、小浜城を攻めるのに先立って小手森城を攻略した。政宗は城将の菊池顕綱をはじめとする城兵だけでなく、城内の女性や子どもまですべて撫で切りにしたといわれる。1588年(天正16)、同城は百目木城主の石川弾正に与えられたが、弾正は相馬義胤の誘いに乗って謀叛を起こしたことから、政宗は再び小手森城を攻めて落城させた。このとき、石川弾正は自刃した。これ以降、小手森城は史料に見られないため、その後廃城になったと考えられている。JR東北本線二本松駅からバスで大町下車。

出典 講談社日本の城がわかる事典について 情報

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