小営子遺跡(読み)しょうえいしいせき(英語表記)Xiǎo yíng zǐ yí zhǐ

改訂新版 世界大百科事典 「小営子遺跡」の意味・わかりやすい解説

小営子遺跡 (しょうえいしいせき)
Xiǎo yíng zǐ yí zhǐ

中国吉林省延吉市の東方9kmにある城子山の南斜面に営まれた新石器時代の組合せ式石棺墓群。1938-40年に発掘が行われた。正式報告の出された38年の調査では64基が調査されたが,すでに200~300基が破壊されていた。単人仰臥伸展葬が多いが,合葬墓,抱合墓,屈葬墓もある。副葬品には土器石器,玉器,骨角器があるが,骨角器は遺跡石灰岩に囲まれていたため残存が良い。石器には薄身石斧,石矛,打製石槍,打製・磨製石鏃,石冠,玉器には玉製環,垂飾がある。骨角器には骨剣,骨製刺突器,骨槍,骨針,骨針筒,骨製笄(こうがい)などがあり,なかには人面彫刻笄,彫刻骨器など工芸的に優れたものもある。そのほか牙製垂飾,貝輪などの牙・貝製品もある。土器は無文茶褐色の深鉢と壺からなり,長石雲母を含む。延吉平野を東流する普爾哈図河は豆満江支流で,この文化は朝鮮半島咸鏡北道の雄基松坪洞,上三峰,会寧などの豆満江流域文化とも関連が深い。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「小営子遺跡」の意味・わかりやすい解説

小営子遺跡
しょうえいしいせき
Xiao-ying-zi

中国吉林省延辺朝鮮族自治区延吉県小営子にある石器時代の遺跡。日本人の手によって 1937~39年に発掘調査された。丘陵上に続く住居址急斜面山麓に数百の石棺墓が発見された。石棺は石灰岩でつくられ,副葬品としては玉類,貝輪などの装身具と土器,石鏃,石槍,石刃などの石器が出土した。住居址には墓地と同じ石器や無文厚手土器が出土している。

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