小佐野堰(読み)おざのせぎ

日本歴史地名大系 「小佐野堰」の解説

小佐野堰
おざのせぎ

上吉田かみよしだの南東、東を西念寺さいねんじ丸尾(檜丸尾溶岩)、西を城山じようやま丸尾(雁ノ穴丸尾溶岩)に挟まれた小佐野の耕地を灌漑する用水忍野おしの村との境界をなす桂川鐘山かなやまノ滝近くにある鐘山堰・おお堰で取水し、いちくち新屋あらや・上吉田へ向かうよこ(福地用水)と分れ、三日月みかづき分水で北へ向かう中沢なかざわ川と北西へ向かう小佐野川に分流する。小佐野川はさらに南無妙法蓮華経なむみようほうれんげきよう口で分流して麻畑おばたけ川・梅谷地うめやじ川などとなって、耕地の間を網の目のように並行して北流する。開削の時期は寛永一六年(一六三九)とする説があるが、中世の御師町吉田の形成時にはこの堰による用水が存立したことは確実である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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