射干・野干(読み)やかん

精選版 日本国語大辞典 「射干・野干」の意味・読み・例文・類語

や‐かん【射干・野干】

[1] 〘名〙
① 狐の異名。また、中国では、狐に似た伝説上の悪獣。よく木に登り、夜鳴く声が狼に似ているという。
※霊異記(810‐824)上「彼の犬の子、家室を咋はむとして追ひて吠ゆ、即ち驚き澡(お)ぢ恐り、野干と成りて」 〔司馬相如‐子虚賦〕
② (野干) 能面の一つ。①を模した鬼畜面。「小鍛冶(こかじ)」「殺生石(せっしょうせき)」などの後シテに使用。
③ 植物「ひおうぎ(檜扇)」の漢名。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
[2] (野干) 謡曲。廃曲。下野国三浦之介は那須野の原を訪れ、自分が退治した野干の亡霊を弔って、これを成仏させる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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